2015年4月2日木曜日

あのころ読んだ本は…

 本日は社会人教室の様子をご紹介します。私達の美術教室は、昨年開講し、もうすぐ1年になりますが、その中でアドバイスを送ってきた皆さんも作品制作がとても進んできました。継続はやはり力になると思います。

本日頑張っているお二人も昨年度はデッサンから初めて、着彩制作まで進みました。大変良い出来栄えでしたが、ここまで来るともう少し基本的な描写力やスケッチ力を鍛えて行きたい欲が出てきます。
 しかし、大人の方々も1週間に1回参加の方がほとんどなのでモチーフ選びは保存がきく者が中心となりますね。もう少しスケッチ力が付けば、痛み易いモチーフも描いてみたいですね。

 さて話は変わるのですが、無性に以前読んでいた本が読みたくなりまして、ネットで取り寄せました。
 四方田犬彦(よもだと読みます)の本です。昔は映画を良く見ていて、ATGだのパゾリーニだの首を突っ込んでいたので、四方田さんの映画評や論を読んでいました。そこから派生して韓国論や漫画に関する造詣の深さも知りました。その中で児童文学への欲求を高めてくれた本がこれです。四方田さん自身の体験をもとに書かれた、文学への初歩的導入の経験譚を興味深く書かれています。こんなませた子供って…とも考えてしまいますが、私も今から児童文学や古典を読みなおそうとする契機にはなったと思います(大人になって読むのでは感じる事や経験が明らかに違いますが)。

 何故今かなと言えば、絵画教室の中で沢山の子供と触れ合う中で、自分達は絵や造形を通じて、感覚的養成が中心となっていると思います。その中でもすこしずつですが小学校中学年からは、自分の感覚について述べたり、考えたりする「思考」の部分が生まれていると思います。この部分を私はもっと教室で見て見たいと思っています。とてもそんな落ち着いた雰囲気ではありませんが(笑)。

 ただ間違いなく子供達にもいつか自我が生まれて、自己を客体化する時期が必ず訪れます。文学はそれを発見したり、見つめたりするものだと思います。自分の子にも興味を持った時から是非触れ合ってほしいと願っています(早くからとは思っていません)。
 
 是非皆さんも機会があれば、手に取ってほしい本だと思います。